コラム 年々歳々

笑う門には福来る

 

多種多様な学会が無数に存在するのは周知のとおりだが、「日本笑い学会」なる可笑しな学会があることを最近知った。早速、ウエブ検索したところ、大学の学長、教授、医学博士、弁護士、作家、ジャーナリスト、僧侶など多岐にわたる有識者が名を連ねているのである。

 

古今東西の哲学者たちが難しい哲学書の著作の合間に、笑いを研究していたことは知られている。アリストテレスは「人以外に笑う動物はいない」という名言を残しているし、梅原猛は「笑いの構造」という哲学的研究を著している。また、作家の井上ひさしによれば、笑いとは「人間が作るしかないもので、それは一人ではできない。人と関わって、お互い共有しないと意味がないもの。」となる。

 

1994年に設立された日本笑い学会は、「笑い」を研究対象とし、心身の問題と位置づけ、コミュニケーションや人間関係の問題として重要な意味を持たせている。演劇、文学、芸能などのジャンルにおいて「笑いの文化」を生み出し、心を癒してくれるのも笑いである。笑いは、総合的に研究されるべきテーマである、というのが創立時のメッセージである。

 

気が滅入ったり、落ち込んだとき、声を出して笑うと不思議にすっきりするものである。作り笑いでもいいから、笑う練習をするだけで、心身が活性化して健康に役立つらしい。これはインド人の医師で笑いヨガの創始者、マダン・カタリア氏の編み出した基本的考え方で、100か国以上に普及している。

 

ガンの研究所でも、笑いが真剣に研究されている。ガン患者に落語や漫才を定期的に鑑賞させ、笑わせると、痛みや認知機能が改善することが判明しているし、免疫力も高まるというデータもあるとのこと。「笑いは人を元気にする力があるし、人間が心身共に元気に生きることに深く関係している。」とは、社会学者でもある、笑い学会の井上宏顧問の言葉である。

 

現代人は過去に例のないほどの悩み、不安、ストレスを抱え込んで、心身のバランスを崩している。このような社会だからこそ、家庭や学校などの身近な人間関係において、凄惨で痛ましい事件が相次いで発生するのだろう。混乱したこうした時代にこそ、「笑いの力」が発揮されるべきだろう。「わっはっは!」とバカ笑いしながら、世の中を元気にしたいものである。(AT)

 

 

 

皇太子殿下の御即位を記念した祝賀記帳受け付けのお知らせ

5月1日(水)~5月8日(水)までの期間,当館におきまして,皇太子殿下の御即位を記念した祝賀記帳を受け付けます。

日時:5月1日(水)~5月8日(水) 9:30~17:30

(※5月4日(土)及び5日(日)のほか,6日(月)もバンク·ホリデーのため,休館日となりますので御注意下さい。)

場所:在英国日本国大使館

   101-104 Piccadilly, Mayfair, London W1J 7JT

   最寄り駅:Green Park駅,Hyde Park Corner駅

なお,入館の際には,身分証明書,パスポートや運転免許証,BRPカード等の写真付き身分証明書が必要です。

【問い合わせ先】

在英国日本国大使館

電話:020-7465-6500(代表)