Yoshihiro Aseさん：世の中のためになるサービスを考える
イギリスに来たのは、2018年12月。現在は、駐在員として働く傍 ら、在英日本人による起業·副業·勉強会コミュニティ Modque（もず く）という組織を運営しています。起業·副業·勉強会というと堅苦し いイメージがありますが、駐在員から主婦、起業家など、様々なバッ クグラウンドを持つメンバーが、日々アイデアを出し合いながら、世 の中の為になるようなサービス作りを行なっています。
その中で我々が大切にしている思いが「海外に住む日本人の生活 をより豊かなものにする」という事。私自身、イギリスに来た当初 は、不慣れな海外生活で戸惑う事も多く、特に食事や生活家電の 使い勝手の違いに苦しんでいました。こちらに来て１ヶ月が経った 頃、日本のお米が恋しくなり、炊飯器を持ってこなかった事を非常 に悔やんでいたのを今でもよく覚えています。幸い、周囲の親切 な方々のサポートのお陰で現在は何不自由なく生活出来ています が、コロナによるロックダウン期間中に来られた方等は本当に大変 な思いをされているのではないかと思います。 さて、イギリスでは、在留邦人の７割近く（およそ4万人）が一時滞 在者である事に加え、その大半が2,3年の内に帰国してしまいま す。その度に、数年しか使われていない高級家具や電圧の異なる 家電製品等が持ち帰られる事なく、大量に廃棄されています。一 度の引っ越しで、不要品を捨てることによる機会損失額は1世帯あ たり約15.5万円と言われており、短い期間に多くの日本人が帰国· 入国を繰り返すイギリスでは、年間で数百億円規模の無駄を排出 してしまっている計算になります。こういった無駄な資源を有効活用し、経済的に困っている方に再分配出来な いかという思いから、先日、海外でもかんたん にフリマが出来るスマホアプリMolightを導入 しました。ただでさえ家賃・物価が高いイギリスにおいて、ワーキングホリデー参加者や留学生などの若いメンバー、コロナウイルス拡 大により収入が断たれてしまった方々の生活コストを少しでも下げ られれば、と願っています。 前述の通り、Modqueはコミュニティであり、企業ではない為、給 与が出るようなものではないですが、その分メンバーの思いが強 く反映されます。思いを共有した仲間たちと、一からサービスを考 え、作り、使ってもらうという一連の活動を通じて学べる事は非常 に多いです。難しい局面も多々ありますが、その分、それを乗り越 えた時に自身のスキルがどんどん向上していくのが実感出来る貴 重な機会になっています。 人生100年時代に突入したと言われる昨今、働き方や世の中から 求められる能力は日々変化しています。テクノロジーの発達により、 今までは当然のように存在していた業種が淘汰される事もありま す。今まで以上に、個人としての力量が試される世の中において、 職場·家庭の他に、自身の成長に繋がるような居場所を作っておく、 というのは非常にオススメです。
▎Modque http://modque.jp
▎Molight（アプリ） https://apps.apple.com/jp/app/molight/id1482578587?l=en
*ウェブサイトを掲載しますがこの件に関してはJA会員の皆さまの責任においてお取り扱いください。