二水会

● 9 月二水会の報告●

英国日本人会ともかかわりのあるヘンドンの日本人墓地でも お世話になっている三輪精舎の佐藤平顕明(さとうたいらけ んみょう)主管にご講演いただきました。不勉強なため、私 自身はアレキサンダー・ウィリアムソン教授のことは、講演の 演題をいただくまで知りませんでした。もともと日本と関係の あった方かと思ったところ、英国の化学のレベルを大きく引き 上げたと言われる学者であり、無償の愛を日本人留学生に注 いで下さったとのことでした。小さなお子さんがいる中で、留 学生数人を自宅に下宿させたり、病人を自宅で看病され、ま た、ブリタニア工場見学などに連れて行くなど、様々なお世 話をされました。また、奥さんが妊娠されている中でも、不 幸にも結核で亡くなった山崎小三郎を自宅で看病するといっ たことがあったそうです。

山崎小三郎のについて描写されている、井上勝と先に日本に 帰国した伊藤博文、井上馨の間での書簡をご紹介いただきま した。山崎小三郎たちが「無金にて着英」「大ひに困窮にて、 朝夕衣食のことも弁じ難く、昼夜とも衣服をも変えず」「居所 に火爐もこれなき深冬を凌ぎ」「誠に無窮の貧困を致し候由」、 その結果、「山崎は労廃の病を得、殊の外難儀致し候」、「ド クトルウィレムソン方へ転居、同人夫婦至極親切に致し候由」 と、日本が貧しい国であったことや、ウィリアムソン教授にお世話になったことが手に取るようにわかりました。また、ウィ リアムソン教授の奥様のエマ夫人の遺書の中でも、留学生と して学んだ日本人たちへの贈り物があったお話は、日本との 絆を感じさせるものでした。 また、佐藤さんがアレキサンダー・ウィリアムソン教授とエマ 夫人のお墓を、日本人墓地と同じブルックウッド墓地の中で、 日本人留学生 4 人のお墓からそう遠くない場所にひっそりと 佇んでいるのを「発見」した時には驚いたとのお話がありま した。この発見がなければ、本日の講演の機会や僕自身がア レキサンダー・ウィリアムソン教授のことを知る機会がなかっ たかもしれない、と考えると、佐藤さんに感謝の気持ちでした。

(伊東)

● 10 月二水会のお知らせ●

日時:10 月 13 日(水)午後 8 時より
演題:国際会議
取材の舞台裏とニュースの捉え方

参加費:無料
会場:ZOOM
<イントロダクション>
2021 年は英国・欧州にとって国際会議イヤーと言える1年です。 6 月には英コーンウォールで主要7カ国(G7)首脳会議(サミット) が開かれましたし、中国などを含めた主要 20 カ国(G20)の 会合はイタリアで開かれています。そして 11 月にはグラスゴー で国連気候変動枠組み条約第 26 回締結国会議(COP26)が 開かれます。 とっつきにくいと思われる方も多いであろう国際会議につい て、取材現場の様子や各国の駆け引き、日本の立ち位置など を紹介することで、少しでも身近に感じていただければと思っ ています。