半世紀の間待ち望んで来た映画製作、魅力的音楽が作り出せるか?が勝負どころです

この度の映画制作にあたり、最も重要と思えるファクターは音 楽であると考えてき ました。七番目に生まれた芸術が『映 画』であるとするならば、「絵画」「音楽」「彫刻」「舞踏(踊 り)」「建築」「演劇(舞台)」は紀元前からあって、ギリシャで は紀元前500年の頃、アクロポリスの丘に「パルテノン神殿」 が建設されていて、「黄金分割」(平面幾何で一つの線分を外 中比に分つこと。小部分の大部分に対する比を大部分の全部 に対する比に等しくなるように分割すること、比は一対一•六一 八で美感がある)を実現させました。 大理石のエンタシスの美しい支柱と破風にはペルシャの攻撃 に勝利した英雄達の彫刻が彫られていました。神話の上演と コーラスが演奏された音楽堂も存在していました。 映画が生まれた1920年代の2000年前から6つの芸術が完成さ れていたことになります。そして時間を伴った芸術として、音楽 と映像は最も近い存在であり、ワンショットの動画に深みと広 がり与えてくれる、最も重要な存在であると考えています。 世界の名作と言われる映画作品には、この音楽が印象深く且 つ忘れ難いものとなっています。例えば『市民ケーン』『東京 物語』『ゴッドファーザー』『七人の侍』『ニューシネマパラダイ ス』『ローマの休日』『ウエストサイド物語』『雨月物語』『慕 情』『カサブランカ』『ドクトルジバゴ』『エデンの東』『風と共 に去りぬ』『老人と海』『野いちご』などなどーー。

映画監督を目指す若者にとって、自ら音楽を創る能力は無い だけに、既成のクラシック音楽を何度も何度も聴いて、記憶して置くしかありません。ヘンデル、ハイドン、モーツアルト、ベー トーベン、ブラームス、チャイコフスキー、ワグナー、ベルディ、 プッチーニなどなどーーー。 久しぶりに我が書斎に閉じこもって学生時代から収集した「カ セットテープ」(レコードからコピーも含め)「CD」を聴いてい ます。中でも「ベートーベンの交響曲」(No1~No9)「ピアノ協 奏曲」「バイオリン協奏曲」は誰が指揮し、何処の交響楽団か を意識していました。例えば当時人気絶頂期であったカラヤン (ベルリンフィルハーモニー)を中心にワルター、過去の名指 揮者フルトベングラー、マタチッチ、小澤征爾など聴き比べを していたようです。なかんずく「ベートーベン作曲」の交響曲、 <NO3英雄><NO5運命><NO6田園><NO9第九(合唱付 き)>は指揮者と交響楽団を比較していました。例えば<NO5 運命>などは演奏時間まで記録していました。カラヤンは最 も短く、ワルターとは2分の違い、フルトベングラーは最も長く カラヤンとの違いが5分近くあったなど。

今回の制作映画『瀬戸内水軍の覇者・村上武吉でござる』及 び長編記録映画『大山祇神社と河野・村上水軍1300年の歴 史』には、スペインの舞曲「ボレロ」とビバルディの「四季」、そ して、従来にない日本独特の大太鼓、小太鼓、縦笛、横笛、囃 子音頭、そして海の歌を中心にした「演歌」の曲を活用したい と考えています。皆様の提案を受け付けて居ります。

渡邉道英拝