紅葉会 (ZOOM)
●2021年5月 紅葉会報告● 5月紅葉会はオックスフォードで脳の研究をされている中村 公一博士に、脳の研究に携わる事になった経緯、京都とオッ クスフォードでの往復研究の中身を楽しくお話し頂きました。 京都大学理学部の学生であった時、ご自分が運動音痴ではな いか、チェロが上手く演奏できないのは指の筋肉ではなく脳の 問題ではないか、という疑問から医学研究科で神経科学を専 攻される事になりました。 大学4回生での最初の実験プロジェクトは、ドブネズミの脳に アデノウイルスベクターを打ち神経細胞を見るものだったそう です(このアデノウイルスベクターはアストラゼネカワクチンに 使われているウイルスと似たようなもので、今年は人間も22 年前のネズミの仲間入りしたわけです。)細胞分裂研究で脳の 発生学を研究した後、誕生後の脳の生後発達をネズミの脳で 研究。顕微鏡で見ると、誕生時には真っ白のネズミの脳は3週 間後には真っ黒に。この変化は、伝達物質放出のためのタン パク質の発現が脳のさまざまな場所で増えたよるものでこの 研究で博士号取得。...